2021年2月 雇用動向調査

 2月度の雇用動向調査の結果が出ました。

新規提案件数は35件、うち雇用調整助成金を受給しながらの休業は26件の提案があり、継続中の単組も併せれば、258単組が雇用調整助成金を必要としています。ピーク時には加盟単組の3分の1に当たる677単組が雇用調整助成金を受給しており多くの雇用が守られました。また休業中の賃金補償率は95%以上の単組が8割の賃金が保障されています。労働組合のない企業では、法律に定められた6割の賃金補償すら支払われていない現実とは大きく異なり、労働組合の有効性が確認された事例ではないかと考えています。

雇用調整助成金を必要としている労働者はまだまだ多数存在しています。特例措置がとりあえず4月30日まで延長されましたが、現場を見ることなく財政の論理だけで切り捨てようとしている政府の動きを注意深くけん制する必要があります。

一方で、希望退職・早期退職優遇措置を実施した単組は、パンデミックが始まった2020年の1年間で46件ありました。これは2019年2件、2018年3件から比較すると大幅に増加していると言ってよいと思います。ただし、個別に詳細を見てみると、必ずしもパンデミックによって大きく売り上げを落としたためにリストラが実施されたわけではなく、これまでの構造変化がパンデミックによって加速した、あるいは一気に変化が進むと経営者が判断したために実施されたリストラだと言うことが分かります。スマートフォンなどの登場によって、デジタルカメラや時計の需要が長期的に落ち込んでおり、業界の再編が起こっています。また、電動自動車の普及が見込まれるために自動車部品業界も生き残りをかけた業態転換に挑戦しています。さらに、直近では鉄鋼産業の業界再編が加速しており、統廃合が行われています。こうした技術革新を伴う変化に、体力があるうちに対応しようという企業側の論理を見て取ることができます。

私たち労働組合が反対しようがしまいが、技術革新は確実に進んでいきます。従って、技術革新を労働組合としても積極的にとらえつつ、常に人間の労働が中核に存在し続けるのだという人間尊重の原則を持ち続けることが重要です。カーボンニュートラルやDX(デジタルトランスフォーメーション)などの技術革新は雇用に対して強い負のインパクトを与えます。雇用動向調査に見られる数値は始まりに過ぎません。

誰一人取り残されることのない社会のために、ともにがんばりましょう!

No Members,No JAM ~組合員なくしてJAMなし~

ものづくり産業労働組合 JAM 組織変革PTの活動記録と情報発信

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